ヴィンテージプリズムペンダントを製作中
先月入荷が遅れていた古いシャンデリアパーツたち。中でもヴィクトリアン調の草花を貴重とした華やかで重厚感のあるパーツに目をつけました。
丁寧にカットが施されたヴィンテージプリズムでペンダントライトを製作しました。
程よいサイズ感のため、シャンデリアは大きすぎて設置できない空間や限られたスペースでも設置が可能です。
古いシャンデリアから取り出した貴重なパーツ
80年以上前に作られた古いシャンデリアから取り出したパーツを使用します。
3灯式の小ぶりのシャンデリアから取り出したため、アームを支える中心部分となったセンターターミナルには数箇所穴があいています。
アームが取り付けられていた穴は不要となるため、塞ぐためのパーツを準備します。
再塗装前の下地処理
何層にも塗り重ねられたペイントが劣化し、粘着質な部分がより一層埃を吸着します。
今回は一旦綺麗にペイントを除去し、再塗装することで上部に取り付けるゴージャスなシャンデリアパーツと色を揃えます。
再塗装と色調整
すでに表面のバリ取りも完了し、表面を滑らかに切削し整えてあるパーツ類に塗装を施します。
塗装がより良く定着するよう、薄くペイントを何層にも重ねて理想の色合いへ近づけます。
埃などが固着した汚れも一掃され、シャンデリアパーツ本来の細やかな装飾が蘇ります。
細部パーツの調整
前述した通り、シャンデリアのアームが集まる中心部分のパーツとして使われたセンターターミナルには、数箇所穴があるため塞ぐ必要があります。
丸くシンプルな真鍮パーツやマイナスネジを合わせることで、当時の古めかしさを失わないよう工夫を凝らします。
立体的で動きのあるデザイン
上記したセンターターミナルは平たく平面的なため、縦方向にも動きを出す立体的なシャンデリアパーツと合わせます。
これにより、遠目や上下様々な角度からも華やかなペンダントライトが目に入るようになります。
小さなティアドロッププリズムを使うことで縦方向にもデザインの統一感を持たせました。
ヴィンテージのガラスプリズム
当時のシャンデリアに実際に使用されていた古いガラスプリズム。保管状態によって相応の埃や汚れが蓄積します。
こうしたシャンデリアパーツは繰り返し手入れされる中や売買され人手を渡る間に、傷や打ち傷が無数に出来ます。
まずは使用できるプリズムを見極めながら選別し、プリズム同士を繋ぐリボンと呼ばれる金具を解きます。
古いシャンデリアプリズムはガラスも剥離し易いため、金具を解くときは特に慎重に進めます。
手仕事で繋ぐプリズム用リボン(繋ぎ金具)
緑青が出た古い真鍮製のリボンを全て外し終えたら、プリズムを1点1点丁寧に洗浄します。
専用の洗剤に漬け込み、油分や埃を全て取り除いたら、元の輝きを取り戻します。
洗浄後、新たな真鍮製リボンでプリズム同士を繋いでいきます。昔ながらの手仕事にこだわり、1つずつ金具を編み上げていきます。
分厚い重厚感とシンプルなカット
ヴィンテージプリズムでも比較的よく見かけるこのプリズムはティアドロップと呼ばれ、涙のような形状をしています。
現行品はヴィンテージプリズムよりもカット面がシャープでやや薄いのが特徴ですが、こちらのヴィンテージプリズムはシンプルなカットに、重厚感のある厚みが特徴です。
現代では作れない水あめのような柔らかな表情がポイントです。
古いプリズムを使用しているため、ガラス表面に打ち傷などがあります。これもヴィンテージプリズムの味わいあるポイントです。
長年使われてきた歴史や背景に想いをはせながら、毎日ヴィンテージシャンデリアを眺めるのもちょっとした楽しみの1つです。
完成まであともう少し
こちらのプリズムペンダントも配線や最終の仕上げを行えば販売が可能です。 ショップで販売を行う際はこちらでもお知らせ致します。是非楽しみにお待ち下さい。